書籍・雑誌

2010年7月 6日 (火)

+∞『地域猫』その言葉の発祥と由来∞+

猫の郵便については、はじめにを是非ご覧下さい。

055             地域猫のすすめ/黒澤 泰著

【『地域猫』_その言葉の発祥と由来】

『地域猫とは?』その考え方は理解しているけれど、〝どんな背景を持って、その言葉が出てきたの?〟と問われると、持っている知識は断片的だった。
そこで地域猫の言葉の生みの親である黒澤 泰氏の著作『〝地域猫〟のすすめ』を読み、発祥と由来をまとめてみることにした。

昭和55年(1980年)、横浜市役所保健所に入所した獣医師であり、動物行政担当の黒澤氏。彼の元に、当時、地域住民からさまざまな猫に関する苦情が寄せられ、それが《事の発端》になって行った。

猫を捨てる人/後先を考えずに気まぐれに餌やりをする人の存在。
そればかりではなく、猫問題の原因には人間の都市化した生活環境が背景としてあり、苦情の内実は猫に直接関係のない「近所とのトラブル」も多かった。
1017_3
猫の苦情対応に追われる中、ヒトも猫も納得する良いトラブル解決法を考えていた黒澤氏は平成7年(1995年)4月_移動した磯子区で猫バザーを目にすることになる。

団地住民が責任を持ってノラ猫を「みんなの猫」として面倒を見ているS団地の猫バザーとは__
①先ず、猫を増やさないためのバザーであることを明確に謳い、共存の呼び掛けのアピール ②団地住民から集めた不用品を販売して不妊手術等の費用に当てる。
黒澤氏はこの「猫バザー」を目にし、地域猫構想の原点の土台としました。

ノラ猫を地域猫へ→その中身とは_?
『不妊手術の徹底・エサ・清掃・周辺美化等、ルールに基づいて飼育管理し、ノラ猫の数をそれ以上に増やさないで一代限りの生をまっとうして貰う_それに伴ない周辺住民の受容をとりあえず取り付けた』猫として、地域という大きな家族の中で管理して生活させようとする考え方。
これが最も平和的解決方法であり、今必要とされている地域のコミュニケーションを図る意味でも二重に有効な方法として提案されました。

しかし、猫の扱いは法的に不明確なため、行政は猫問題に手を出さないという役所の風潮があり、不妊去勢手術を普及させるための事業案を提出しても、前に進まなかった。

そこで黒澤氏は、役所内部を納得させるため、平成7年秋(1995年)から市民の目線に降りてフィールド・ワークを始めました。
①苦情を聞いて回る ②苦情解決のポイントを見つける。③猫問題を話し合う場を設け、猫との共存/地域猫の考え方を説明し→猫問題を地域の問題として取り組む姿勢を促す。その2年後

役所内部署の協力を得て、3年間の事業として「磯子区ホームレス猫防止対策事業」が承認され予算がつく→事業目的は「猫の飼主に自覚と責任を持ってもらうと同時に、ノラ猫に対しては排除することで問題を解決するのではなく、共存するために各種活動を実施して地域ぐるみで解決を図ること」とした。

猫の好きな人、迷惑をしている人、双方を集め3回のシンポジウムを開催し_シンポジウムでは共存事業を説明し、反対派の人にも事業内容を理解してもらう→
そのためには ①数が増えないよう不妊手術を徹底する ②猫の世話は周辺住民でルールを決めてそれに従うこと、を猫問題の解決方法とする事で決着した。その1年後まず、ルール作りを始め、翌年の3月に「磯子区猫の飼育ガイドライン」が完成→そのルール・ブックの文言の中に『地域猫』という言葉がはじめて定義づけられ誕生した。

Early_in_summer                   初夏の森

sign05活動ジャーナルは、+∞『地域猫』_その言葉の発祥と由来α∞+へenter

|